ツヤハダゴマダラカミキリ観察会 2022年7月9日(土)


  • (小鹿記録帳)

     7月9日11:00~12:00

    参加者:9名 (敬称略)金森・金田・伴家・市川・高橋・原田・原谷・川田・小鹿

    場所:豊田市寿惠野町 豊田東インター周辺
     
     先月のサロンで講演をいただいた金田さんに、ツヤハダゴマダラカミキリの発生地をご案内いただきました。

     現地はインターが建設された関係でアキニレが植栽された場所(写真)で、そこへ本種が発生しているようです。幹の表面には過去に成虫が脱出した穴が見つかり、ここから多くの個体が羽化していったことがわかりました。穴はその後の形成層の成長で塞がれているようですが、円形の跡がしっかり残っています。最近開けられたのか、周囲には白い泡を噴き出している木もありました。

     金田さんのお話では、昨年はもっと多くの成虫が観察できたとのことでしたが、当日も50m程の区間に30個体ぐらいが観察できました。なお、原谷さんが採集したものの中には、鞘翅の斑紋が黄色をした個体がありました(写真)。

     先月末に行われた矢作川河川敷LTの際にも、新幹線高架付近に拡がるヤナギ類主体の河畔林から、本種が多数観察されました。また、原谷さんと原田さんは、河川敷ではムクノキに多くの個体が群がる本種を観察しました。今回参加した川田さんも観察会の後で、岡崎市自然観察の森で、ヤナギに捕まっている本種を観察されたそうです。おそらくホストはアキニレに限らずいろいろな樹種に渡っており、今後いろいろな地域・環境から本種が見つかりそうです。

     この大型の外来種の出現が示すものは、この国の生態系は侵入して爆発的に数を増やせるほどにニッチが空いていることです。在来種のゴマダラカミキリとの競合もさることながら、ただ外来種を駆逐すればよいというものではないでしょう。いかに多様性を守り育て、在来種の保全をしながら外来種につきあっていくのか、いろいろな生き物の動態を見ながら考えていく課題は多いのかもしれません。

     観察会の方は予定通り12時30分で終了しました。皆さん、暑い中をお疲れ様でした。この日の講師の金田さん、ありがとうございました。