岡崎市北山湿地ギフチョウ観察会


  • (小鹿記録帳)
    •  去る4月8日(土)、岡崎市池金町の北山湿地で杉坂先生の案内ギフチョウ観察会を開催しました。ここ3月の総会でも紹介があったように、この3年ほど、杉坂先生は北山湿地の中でギフチョウの幼虫を保護・飼育する施設を設置して、ここのギフチョウの保全に取り組んできています。今回はその現場を案内していただきました。

       朝の9時、道の駅「藤川宿」で、堀田副会長小鹿事務局の車に原田究さんが合流して北山湿地へ向かいました。現地の北山湿地駐車場で、杉坂先生の出迎えを受けて観察会開始です。杉坂先生からのメーリングリストでもご存じのように、春先の温かさが効いたのか、今年のギフチョウの発生は異常に早くて、すでに4月1日(土)には当地でもたくさんのギフチョウが観察できたようです。

       当日もオス1頭とメス1頭が羽化していました(写真はそのメス個体)。フチョウを観察した後は、杉坂先生の案内のもとで湿原内を見学しました。観察できた動植物の主だったものは以下です。

      ヤマドリゼンマイ 堀田副会長によれば平地ではとても珍しいシダとのこと。北山湿地では複数の株が柵で囲まれて保護されており、ちょうど芽を伸ばしてきたよいうすが観察できました。

      ハルリンドウ 奥の湿原でたくさん花を咲かせていました。

      ショウジョウバカマ 開花した株が木道の周囲にも散見できました。

      イワカガミ類 湿地の奥に大きな群落があり、たくさんの白い花が咲さかせていました。岡崎市や関連のサイトを見ると、ナンカイイワカガミSchizocodon ilicifoliusvar.nankaiensisとしていますが、別サイトではヒメイワカガミの変種ヤマイワカガミ Schizocodon ilicifoliusvar. intercedensとしているものも見られ、分類は難しいグループのようですね。

      チョウ ギフチョウ以外はキタキチョウのメスの越冬個体を観察。

      Abraxas属とみられるエダシャクガ

      ミツバツツジ類が満開で、湿原を彩っていました。

       現在、北山湿地は愛知県の「天然記念物」(2018年2月10日指定)と岡崎市自然観察保護区(2010年2月27日指定)になっており、ギフチョウのみではなく、湿地の全ての動植物や自然環境が保全の対象になっています。この日も観察コースの整備に来ているボランティアの方にお会いするなど、地域の方々が湿地の保全に関わっている様子を伺うことができました。また、ギフチョウや野鳥などの撮影のために訪れている人たちにも多く出会いました。機会があれば一度足を運ばれることをお勧めします。