作手ネクイハムシの観察採集会


  • (小鹿記録帳)
    •  5月6日、ネクイハムシの観察と採集を通じて、湿地の生物多様性を理解することを目的に、第3回の観察採集会「作手ネクイハムシ観察採集会」を開催しました。

       参加者は5名:山崎隆弘・原田究・岩崎健太郎・原谷優太朗・小鹿亨(敬称略)。朝10時に道の駅「つくで手作り村」の駐車場に集まりました。当日は小雨が降る天気でしたが、作手のフィールドを知り尽くした山崎さんの案内・指導で、お弁当をはさんだ午前午後で作手の数カ所の湿地を巡りました。場所によっては、周囲をフェンスで囲まれ、湿地として保全対策がとられている場所もありましたが、面積の小さな所は、草地の続きでそのままの状態の環境もありました。基本的に全ての場所でネクイハムシ類は観察できました。産地の保全のために具体的な場所は伏せます。

       湿地のスゲ類の花を目印にネクイハムシを探していきますが、湿地では場所によっては注意深く足を踏み出しても、ぬかるみに膝まで埋まってしまいます。そして、あいにくの小雨の中では3回もスイーピングすると、捕虫網は水がしっかりしみて、すぐに重くなります。悪戦苦闘しながらもツヤネクイハムシキヌツヤネクイハムスゲの花にとまる姿を観察できました

       ちょうど季節的に湿地の中には、レンゲツツジがオレンジ色の美しい花を咲かせている場所もありました。心配された天気も、なんとかもってくれて、「お開き」の午後3時ころには雨もあがり、ネクイハムシの観察採集会は、なんとか目的を達成して終えました。

       スゲ類が生える湿地の環境が今後も維持され、ネクイハムシたちが今後も生き続けていくことを期待したいと思いました。
       
      余談になりますが、2年ほど前に本研究会の観察採集会で訪れた土場(木材などの一時的な集積場所)にも立ち寄ってみましたが、広かった土場は全てメガソーラーになっていて、驚かされました。作手の自然も変わっていっているようでした。

       最後になりましたが、この日一日作手を案内していただいた山崎さんに、心より感謝致します。次回は5月21日(日)、第4回観察採集会「渥美半島」を予定しています