西三河野生生物研究会・三河昆虫研究会 第51回サロン 小鹿だより
講演「日本における中型食肉類のロードキル発生パターン」
立脇隆文先生(人間環境大学)
第51回のサロンを開催しました。参加者は11名でした(敬称略)。
会場参加:金森・杉坂・原田・小鹿(事務局)
Zoom参加:立脇・子安・大野・伊木・濱嶋・高橋智祥・高橋慧伍
今回の講演は、人間環境大学の立脇先生です。演題は「日本における中型食肉類のロードキル発生パターン」でした。「ロードキル」は動物の死亡交通事故のことです。交通事故で死亡した哺乳類については、高速道路・国道・市道などで対応する機関・業者が異なっており、地方自治体の場合は市民などからの通報は記録として残っている場合もあるそうで、そうした場合は調査のデータに使える場合があるようです。
今回は立脇先生がこれまでに地道な調査によって蓄積してきたデータをもとに、ロードキルから分かったことをお話しいただきました。ロードキルに遭う動物は、一番多いのはノネコで、2位以下はタヌキ・ノイヌ・ハクビシン・・・だそうです。今回はタヌキにスポットをあてたお話でした。
タヌキは緑地の市街地の間で事故に遭うケースが多く、季節的には秋に多くなるとのこと。そうした現象は、親離れをしていく「当歳個体の分散移動」などで説明ができるそうです。さらに、ロードキル個体を解剖することで胃の内容物などの季節変化から、彼らの生活のようすが見えてくるとのこと。とても興味深いお話でした。
金森先生から、「とても地道な取り組みで、継続されることで将来将来楽しみなお仕事ですね。」とのコメントがありました。
一人一話
伊木:現在タイに留学中。すっかり現地での生活に慣れ、採集調査活動を行っている。
大野:30年ほど前の豊川市での哺乳類の体験をお話しいただきました。
子安:白山へ哺乳類の調査に来ているとのこと。ハクビシンで学会発表。名古屋哺乳類調査会でも二月に一度の例会を行っているそうです。
原田:1週間前に、長野県小谷村にコブヤハズカミキリの叩き網採集にいってきたそうです。近く山崎隆弘さんと叩き網採集に出かけるとのこと。
濱嶋:学校でアオドウガネが多いとのこと、ソテツに今年はクロマダラソテツシジミが来ていないそうです。
高橋慧伍:最近小さなスッポンを捕まえて、市販のカメのエサで飼育中。
高橋智祥:スッポンのエサについて、アドバイスがあればほしいとのこと。
杉坂:朝3時起きでチョウ(キベリタテハ・ヒメシロチョウなど)の撮影に行っているそうです。クロマダラソテツシジミを知多半島で確認。岡崎市でウラナミジャノメの第2化を撮影されたそうです。
事務局:茶臼山ライトトラップの報告、岡崎市でのクロヒカゲモドキ調査。岡崎市蔵次町でムネアカハラビロカマキリを観察。10/1の茶臼山ライトトラップ2、および10/8の田原市塩性池・蔵王山の観察採集会の案内、次回以降のサロンおよび幹事会の予定。